さかな

ひかりは海に乱反射して
ずっと深くもぐっていく
まっくろにしか見えない海底
あそこにいくならぼくは死ぬ

海の深さなんて知らなくて
ここがどこかもわからない

それでもぼくのかなしみは
ぼくだけのかなしみ
なのに海が涙を溶かして
何もなかったふりをする

ぼくは海の中のさかな
たくさんのさかなの中のさかな

世界中のありとあらゆるかなしみが
あつまるこの場所にあって
だれもぼくの涙を知らないなんて
そんな孤独があるか