可能性

いくら部屋が広くたって生かさなきゃ意味がない
いくら窓があったって割らなきゃ意味がない
いくら天井が高くたって超えなきゃ意味がない
ここで泣くことに意味があるとしたら
窓を割る覚悟ができるということ
血を流しても見るものはいないからと
とても残酷でいられる自分が吐き出したものなど
片す事もしない
そこに雑然と並べられていくだけでたぶん何も動かない
私が窓を割らなきゃ風など入ってはこない
風が入ってこなきゃ私は飛べない
飛べなきゃ私は天井を越えられはしない

窓は割るためにありつづける
天井は越えるために
その存在意義を知らなきゃ何も出来ないような
遠慮してしまうような
そんな思いが邪魔するような
壊せないような
飛べないような
私が私である意味を知らなきゃ私でいられないような
それほど大事な事なのに
なのに世界はあまりにもそれを無視しすぎていて
知ることを拒んでいるような
その先にあるのは暗闇だというような
そんな臆病さをもって平和を望むような
そんなことで窓を割れなくなるような
天井を越えられなくなるような
そんなことが世界にはあって
この部屋にもあって
部屋の広さはそんな事ばかりで埋められていて
窓はいつも閉じられていて
天井はいつも私の上にある

広さを生かせなきゃ飛べはしないのだということを
知る朝はいつ来るのか
隅っこでしか寝られない理由は
窓を割ればその破片から知ることが出来るだろうか
突き刺されば私の中で別の何かに変われるだろうか
それは翼になれるだろうか
そして来る風で私は天井を超える事が出来るだろうか

始まりはまだ朝
来る朝を私は生きる
その時には私の部屋に
窓の破片だけあればいい