坂道

下る坂道
そうして振り返った時の何ともいえない気持ち
足はもつれ転げ落ちる錯覚
ここで跳べば下まで行けるのだろう

網膜に焼け付いた景色を空に重ねてみても
匂いも感情もとうに消えていた
下る
そこには元通りのものなんてない
この坂の上にはまだ残ってるけれど
そこに今はなく
記憶が時間に食べられていく
価値観が変わっていく
坂を下れば下るほどに
見えてくるのは現実
見えなくなるのは過去

ここにあるのは今と私だけ
それすら見落としがちに下を向いて歩いて
君の影はなかった
だから踏まずにすんだ