幾千の波に、あなたに

灯台のあかりも底までは
照らしださない暗い夜
誰も彼もを孤独にさせる
海がわたしの瞳にゆれる

ひとり泳ぎつづける波間に
もうひとりを求めつづけて
見つからないとつぶやく声は
響くでもなく波にのまれた

どこまでも泳ごうとすれば
腕はしびれるもの
胸はくるしむもの
足はひきつるもの

まだ足りないと空から言うなら
等価な痛みをわたしに与えて

果てしのない海の向こうへ
わたしと同じ瞳を持つ人へ
伝えるために泳ぎつづける

わたしは言葉
自分自身に
おぼれそうになっているのは
あなただけではないという