逃亡する夜

部屋の明かりを消し去って
すきまなき闇に抱かれる瞬間
僕自身も闇になって
ついに自由の向こう側を知る

どんなこともこの瞬間は
存在しないと言い切れる
僕を見つめるものの不在
何からも規定されない僕が好き

まぶたを固くきつく閉じて
現実のことは知らないふり
目が暗闇に慣れる前に
世界が輪郭を取り戻す前に

安らかに安らかな眠りの底を
一直線につきぬけていって
二度とは連れ戻されないように
早く僕よ、おちていけ