駆ける

冷たい夜を冷たい手のひらにのせて
走っていきたかった
止まない雨とネオンを追いかけて
どこまでも

車のヘッドライトに照らされた
雨は涙のように見えた
きらりと光ってぽたりと落ちる
はっと気づいてアスファルトを見たら
世界が泣いている、と思った
何が悲しくて泣いているのか
思いつく理由が多すぎて全部捨てた

雨はこの日止まなかった
僕の中でも止まなかった
きっとこの先どの地点で振り返ってみても
ずっと雨が降ってる
これが永遠というものなら
世界はずっと泣き続けているんだろう

瞳にぶつかる雨も痛いとは思わなかった
これが涙なら僕のと混ざっていくだけだ

走るたびに聞こえるポケットの鍵の音
錆びて使えなくなってしまえばよかった
帰る場所などないと思えたらよかったのに

止まない雨とネオンを追いかけて
どこまでも走っていきたかった
でも僕の行動自体に永遠はなかった
なかったんだよ